元気パンダの漢方日記
国際中医師の資格を持つ薬剤師が、漢方医学の知見や日々の出来事、趣味のパンダコレクションの紹介をするブログです。






スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

漢方薬解説「小柴胡湯」

皆さん、こんにちは。漢方薬解説第54弾は「小柴胡湯」です。

小柴胡湯は約2000年前の中国・漢時代に書かれた「傷寒論」という有名な古典を出典としています。ツムラ、コタロー、クラシエの3大メーカーをはじめ、多くの漢方メーカーがエキス剤や錠剤などの剤型で発売しています。
私の店では、切れ味の良い東洋薬行のエキス細粒を良く使いますが、錠剤を希望する方はコタロー漢方の「ショウサインS」を使っています。

小柴胡湯

ショウサインS

小柴胡湯の効能効果は「はきけ、食欲不振、胃炎、胃腸虚弱、疲労感及びかぜの後期の症状」です。
小柴胡湯は名前のとおり柴胡を主薬として、黄苓を臣薬としています。この柴胡+黄苓の組み合わせは、傷寒論では少陽期の鬱熱を和解するときに常用する配合です。半夏、人参、甘草を佐薬、生姜、大棗を使薬として、7種類の薬草が配合されています。傷寒論の処方は、君臣佐使の配合がしっかりとしており、深く考えられた素晴らしい配合が多いです。

さて、小柴胡湯は傷寒論を原典としていますので、もともとは感冒の少陽期に効果があります。少陽期とは、感冒が初期の太陽期に治らず、陽明期、少陽期とこじらせていく時期です。典型的な症状としては、往来寒熱(寒気と発熱を繰り返す)・胸脇部が脹って苦しい・食欲不振・胸苦しい・悪心・口が苦い・咽の乾燥感・目がくらむ・脈が弦などです。感冒の少陽期には小柴胡湯が非常に良く効きます。
また、小柴胡湯は少陽期の基本処方ですので、下記のような多くの加減方があります。

小柴胡湯に桂枝湯を合方・・・柴胡桂枝湯
小柴胡湯に半夏厚朴湯を合方・・・柴朴湯
小柴胡湯に五苓散を合方・・・柴苓湯
小柴胡湯に小陥胸湯を合方・・・柴陥湯
小柴胡湯に桔梗石膏を合方・・・小柴胡湯加桔梗石膏
小柴胡湯に平胃散を合方・・・柴平湯

ところで、小柴胡湯は日本では慢性病にも幅広く良く使われています。例えば、慢性中耳炎・耳下腺炎・気管支炎・気管支喘息・慢性胃炎・肋膜炎・慢性肝炎・胆のう炎・じんましん・自律神経失調症などがあります。いずれの疾患も上記の少陽期の症状と似た症状を呈する時期があり、小柴胡湯が良く効くのです。
小柴胡湯は一貫堂医学では解毒証体質にも使います。解毒証体質には柴胡清肝散・荊芥連翹湯・竜胆瀉肝湯が良く使われますが、いずれも胃腸が弱い方には使いにくいときがあります。このような時は小柴胡湯を使います。ですから、日本ではアレルギー体質や腺病質の子供の体質改善に小柴胡湯が使われることがあります。

最後に小柴胡湯の副作用事件について触れます。小柴胡湯といえば、15年くらい前までは肝炎の特効薬として、病院で最も多く使われている漢方薬でした。当時は肝炎に効果のある西洋薬が少なく、小柴胡湯が著効を示したケースが数多く報告され、病院で肝炎に繁用されたのです。最初に使った医師は漢方医学に理解があったと思いますが、その後に繁用した医師は漢方医学の知識がないままに肝炎という病名がつけば体質(証)を考えずに使いました。その結果、肝硬変の末期の方が小柴胡湯を服用して死亡するという事件が起きました。私たち漢方医学の専門家からすると信じられない話でした。下記に詳しく記載しています。

http://www.kojima-y.com/menu03/k_02.htm

この事件から漢方薬も体質(証)を無視して使うと副作用が起きるということが広く知られるようになりました。私たちもこの事件を教訓としており、漢方薬は体質(証)に合わせて正しく使うことを常に心がけています。

テーマ:健康 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

コメント

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

閲覧パンダ

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

プロフィール

元気パンダ

Author:元気パンダ
国際中医師の資格を持つ薬剤師が、日々の漢方相談で感じたことを通じて、正しい漢方医学の知識の普及を目指しています。また、趣味で集めているパンダコレクションも紹介する、楽しいブログです。
■ご感想・お問合せはこちら
 panda@kojima-y.com

最近の記事

最近のコメント

検索フォーム

月別アーカイブ

カテゴリー

RSSフィード

リンク

その他の言語 Ver.2

携帯でもパンダ!

QRコード

ランキング!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。