元気パンダの漢方日記
国際中医師の資格を持つ薬剤師が、漢方医学の知見や日々の出来事、趣味のパンダコレクションの紹介をするブログです。






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漢方薬解説「荊芥連翹湯」

皆さん、こんにちは。漢方薬解説第51弾は「荊芥連翹湯」です。

荊芥連翹湯は大正から昭和初期に活躍した日本の漢方家、森道伯が創作した一貫堂医学の解毒証体質に汎用される漢方薬です。
一貫堂医学は他に類を見ないユニークな体質医学で、現在でも大いに役立つ体系です。一貫堂医学では日本人の体質を解毒証体質、臓毒証体質、淤血証体質の3つに分けて、解毒証体質を荊芥連翹湯、柴胡清肝散、竜胆瀉肝湯で治し、臓毒証体質を防風通聖散で治し、淤血証体質を通導散で治す、としています。いずれの体質も体内に存在する悪い病理産物(毒)が病気の原因になると考えて、排毒解毒することで治療して行きます。最近流行の言葉でいうと、デトックスといえます。

今回は解毒証体質と荊芥連翹湯を中心にお話します。

一貫堂医学では、解毒証体質は解毒剤すなわち四物黄連解毒剤(温清飲)で治療にあたる体質の者の総称としています。肝臓の解毒作用が弱く、いろいろな体毒を持っている体質ともいえます。大部分は父母より遺伝され、幼年期は毒が最も強く、青年期に達すれば体質が強固になり改善するものが多く、壮年期になるとさらに少なくなるとしています。
大正から昭和初期は結核患者が多かったため、解毒証体質は結核になりやすい体質とされていましたが、現代はアレルギー疾患になりやすい体質といってよいと思います。
解毒証体質は年齢によって症状が変化するため、一貫堂医学では幼年期は柴胡清肝散、青年期は荊芥連翹湯、壮年期は竜胆瀉肝湯で治療するとしています。しかし、私の経験では、年齢による使い分けは参考にして、こだわり過ぎないほうが良いと思っています。

さて、私の店では荊芥連翹湯はコタロー漢方の製品を使っています。特徴として、1日量が3gと他のメーカに比べて賦形剤が少なく、エキスが濃いことがあります。1回に飲む粉の量が少ないので飲みやすく、しかも効果が良いのでとても重宝しています。

荊芥連翹湯

荊芥連翹湯の効能効果は「慢性鼻炎、慢性扁桃炎、蓄膿症、ニキビ」です。
解毒証体質に使う上記3処方は、四物黄連解毒剤(温清飲)をベースにしています。荊芥連翹湯は温清飲の8つの薬草に、荊芥、連翹、防風、桔梗、白芷、薄荷、柴胡、枳実、甘草を加えた17種類の薬草より成り立っています。一つ一つの薬草の使用量が少なく、少量多味の配合が、一貫堂処方に共通した特徴です。
中国の処方からみると非常に少量で種類も多いため、中医学を学び中国で研修を受けた漢方家からみると、本当に効果があるか疑問に思うと思います。イスクラ中医薬研修塾で中医学を学び、中国研修に多く行っている私も、最初は荊芥連翹湯をはじめとする一貫堂処方の使い方が良くわからなかったことがあります。
しかし、あるきっかけで一貫堂医学を深く学ぶ機会があり、その実践的な医学体系の素晴らしさと実際に使ってからの効果の良さですっかり魅了されました。現在もアレルギー疾患や生活習慣病に対して、一貫堂医学と中医学を結合した方法で治療しています。

荊芥連翹湯は主にアトピー性皮膚炎、慢性鼻炎、花粉症、慢性蕁麻疹などのアレルギー疾患や蓄膿症、ニキビ、慢性扁桃炎、慢性中耳炎、一部の神経症などで、解毒証体質であれば大変よい効果があります。

さて、解毒証体質には柴胡清肝湯と竜胆瀉肝湯も使われます。

柴胡清肝散は幼児~小学校低学年を中心に、アトピー性皮膚炎や慢性扁桃炎、慢性扁桃炎、慢性中耳炎、疳の虫などで、解毒証体質であれば大変よい効果があります。青年以降でも神経症とアレルギー疾患を合併している方に使うこともあります。
私の店では、柴胡清肝散はマツウラ漢方の製品を使っています。粉がサラサラで小児でも比較的飲みやすく、効果も良いので使っています。錠剤を希望する場合はコタロー漢方のサイセインを使っています。

柴胡清肝湯

一貫堂の竜胆瀉肝湯は荊芥連翹湯や柴胡清肝散とは異なり、アレルギー疾患よりも泌尿器疾患によく使われます。しかし、アレルギー疾患にもアトピー性皮膚炎やアレルギー性結膜炎の体質改善に使うことがあります。また、荊芥連翹湯や柴胡清肝散は上半身の疾患に良く使われますが、一貫堂竜胆瀉肝湯は下半身の疾患に良く使われます。

アレルギー疾患が増えている現代では、一貫堂医学の解毒証体質の方が多くいるようです。一貫堂医学の処方だけでは十分に効果を上げることができないケースもありますが、中医学での弁証と結合して、自在に組み合わせると大変良い効果が得られます。

この医学体系を作り上げた森道伯は、日本が誇る偉大な漢方家の1人であると思っています。

コメント

はじめまして。

無料で漢方相談に乗っていただくことはできますか?
【2011/10/01 13:07】 URL | さかい #-[ 編集]
コメントありがとうございます。
店舗(小島薬局漢方堂)では、基本的に予約相談となっています。
もし簡単な無料相談をご希望の場合は、ホームページの「漢方なんでも相談室」をご利用ください。
http://kanpodou.com/modules/inquiry/mail.html
今後ともよろしくお願いいたします。
【2011/10/01 15:38】 URL | 元気パンダ(店主) #-[ 編集]

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