元気パンダの漢方日記
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排卵期の漢方薬について

皆さん、こんにちは。

今回は排卵期の漢方薬についてお話します。排卵期は排卵前後の3日~7日間と考えています。通常の排卵は生理14日目前後が望ましいですが、生理8日~10日で排卵になる人もいれば、甚だしければ2ヶ月~3ヶ月して排卵する人もいます。
低温期にエストロゲンの分泌が十分で質の良い卵子が成熟して排卵が近づいてくると、透明で粘りのあるおりものが増えてきます。このおりものが一番多いときに排卵して、基礎体温が低温期から高温期に1日~2日でスムーズに0.3℃~0.5℃上がることが理想の排卵と言われています。
南京中医薬大学の夏桂成先生の経験によると、生理期と排卵期の日数は対応しており7日、5日、3日の奇数のリズムになるといっています。つまり生理期が7日の方は排卵期も5~7日、生理期が5日の方は排卵期も3~5日、生理期が3日の方は排卵期も3日となり、生理期と排卵期の日数が対応しているということです。(排卵期は排卵前後のおりものが増える時期です)そして、この法則を「7、5、3奇数律」と名付けました。
さて、周期療法では低温期を陰の時期、高温期を陽の時期と考えますので、排卵期は陰が陽に変わる時期と考えます。低温期に陰が充実して、卵胞の発育が良いと排卵がスムーズにおこり、高温期が安定して妊娠しやすい状態となります。しかし、排卵期のおりものが少なかったり、排卵期には体温がだらだら上がる、凹凸に上昇するという状態も良く見られます。このようなケースはいずれも陰陽の転化がうまくいかない状態と考えられます。
排卵期の漢方治療には、①活血通絡法と②補腎活血法があります。夏桂成先生の経験によると、おりものが十分に増えている方は①の活血通絡法を行い、おりものが十分でない方は②の補腎活血法を行ないます。
①の活血通絡法は以下の4つのタイプがあります。
一般活血通絡:おりものが十分にある排卵期に一般的に使う方法です。夏桂成先生は加減排卵湯(丹参、赤白芍、川弓、五霊脂、沢蘭、山査子、続断、香附子、紅花、荊芥)をよく使っています。日本では婦宝当帰膠冠元顆粒或は血府逐淤丸を併用します。
血淤(癒着):子宮内膜症などで卵巣や輸卵管に癒着があり、活血化淤血の力量を高めて排卵を促します。夏桂成先生は促排卵湯(丹参、赤白芍、川弓、五霊脂、山査子、続断、香附子、紅花、荊芥、地鼈虫、穿山甲)をよく使っています。日本では婦宝当帰膠血府逐淤丸水快宝或は爽月宝を併用します。
湿熱(炎症):卵巣や輸卵管に炎症があり、黄色或いは白濁、赤色などの帯下が見られます。夏桂成先生は加味紅藤敗醤散(紅藤、敗醤草、丹参、赤白芍、意苡仁、土茯苓、木香、馬鞭草、扁蓄、佩蘭、蒼朮、続断、五霊脂)をよく使っています。日本では冠元顆粒瀉火利湿顆粒と五行草茶を併用します。
痰湿(PCOS):多嚢胞性卵巣(PCOS)や肥満のタイプで、燥湿化痰、温陽理気、活血通絡により排卵を促します。夏桂成先生は温陽化痰促排卵湯(当帰、赤白芍、天南星、桂枝、続断、紫石英、紅花、川弓、香附子、茯苓、蒼朮)をよく使っています。日本では冠元顆粒星火温胆湯桂枝茯苓丸或は水快宝を併用します。
②の補腎活血法は以下の3つのタイプがあります。
陰虚陽弱:錦糸状の帯下が少なく、滋陰助陽を活血で補佐して排卵を促します。夏桂成先生は補腎促排卵湯(当帰、赤白芍、山薬、山茱萸、熟地黄、牡丹皮、茯苓、続断、兎絲子、鹿角片、五霊脂、紅花)をよく使っています。日本では婦宝当帰膠冠元顆粒参茸補血丸或は海馬補腎丸を併用します。
腎陰虧虚、心腎不交:錦糸状の帯下が少なく、不眠傾向があり、心腎を交通させて排卵を促します。夏桂成先生は益腎通経湯(柏子仁、当帰、赤白芍、丹参、熟地黄、続断、沢蘭、牛膝、充蔚子、茜草、鼈甲、山査子)をよく使っています。日本では婦宝当帰膠柏子養心丸冠元顆粒を併用します。
腎虚偏陽、脾腎不足:錦糸状の帯下が少なく、胃腸虚弱で、脾腎を補い排卵を促します。夏桂成先生は健脾補腎促排卵湯(党参、蒼白朮、茯苓、山薬、牡丹皮、続断、兎絲子、紫石英、木香、佩蘭、五霊脂)をよく使っています。日本では冠元顆粒参苓白朮散参茸補血丸或は海馬補腎丸を併用します。
排卵期は陰陽が転化する時期で、卵巣から卵子が排出されて卵管に入りますので、スムーズな卵管動きは大切です。また、精子は性交後に膣から卵管に向かいますが、錦糸状のおりものがないと卵管まで泳いで行きにくくなりますので、錦糸状が十分にあることも大切です。卵管で精子と卵子が出会いますので、妊娠のためには排卵期はとても重要になるわけです。
スムーズな排卵と柔軟性のある卵管、十分な錦糸状のおりものがそろい、精子が元気であることが妊娠のためには重要なポイントといえます。

テーマ:不妊治療 - ジャンル:結婚・家庭生活

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