元気パンダの漢方日記
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低温期の漢方薬について

皆さん、こんにちは。

今回は低温期の漢方薬についてお話します。以前にも紹介しましたが、周期療法の核心は低温期にあります。生理周期の中で低温期は卵子が成熟して子宮内膜が厚くなる時期です。一般に卵子は生理5日目頃から成熟し始めて、生理12日目~15日目で排卵することが望ましいといわれています。低温期に質の良い卵子が成熟して子宮内膜が十分に厚くなり、スムーズに排卵することができれば、妊娠しやすい状態になっていると考えられます。
周期療法の考えでは低温期は陰の時期と考えています。陰は静かな時期ですので、体温の変動は少なく、多くの方は低温期には他の時期に比べて体調が良いといわれています。基礎体温でもあまり凹凸がなく、0、1℃~0、2℃の範囲内で安定していることが望ましいです。低温期にしっかりと滋陰養血を行なうことにより、質の良い卵子と厚い子宮内膜を作ることができます。
生理不順の方は排卵日が不安定になるため、低温期の日数も長くなります。卵巣機能低下や多嚢胞性卵巣がある方は、かなり生理周期が乱れて、甚だしい場合は無排卵なります。今回はこのようなケースは除いて、生理周期が比較的安定している方についてお話します。

低温期には①低温期が長い(排卵が遅い)②低温期が短い(排卵が早い)③凹凸(波動)が激しいという病態が良く見られます。

①のタイプは多嚢胞性卵巣などの卵巣の病気を除けば、子宮や卵巣の冷えにより生殖軸の働きが低下していることが考えられます。このような方は低温期の基本である滋陰養血法に温陽薬や活血薬を適宜配合する必要があります。夏桂成先生は加減帰芍地黄湯(当帰、芍薬、地黄、山薬、山茱萸、牡丹皮、茯苓、牛膝、桑寄生、続断、兎絲子、肉従蓉)をよく使っています。日本では婦宝当帰膠に陰を養う杞菊地黄丸、さらに陽を養う参茸補血丸海馬補腎丸海精宝などを併用します。淤血がある場合は温経湯血府逐淤丸弓帰調血飲第一加減などを併用します。

②のタイプは体内に熱がこもり生殖軸が過亢進していることが考えられます。卵子は成熟が早すぎても好ましくないといわれています。特に年齢が高くなって排卵が早くなってきた方や排卵誘発剤を使いすぎて排卵が早くなってきた方は卵巣機能が低下していますので、しっかりとした治療が必要になります。夏桂成先生は加減知柏地黄湯(知母、黄柏、地黄、山薬、山茱萸、牡丹皮、茯苓、沢瀉、牛膝、玄参、桑寄生)をよく使っています。日本では瓊玉膏瀉火補腎丸や杞菊地黄丸を併用します。卵巣機能の低下が酷く良い卵子が育たない場合は胎盤エキス紅沙棘を併用します。

③のタイプはストレスが原因になり体温が不安定になっていることが考えられます。また潜在性高プロラクチン血症の方はこのタイプが多く見られます。
夏桂成先生は加減滋水清肝飲(丹参、芍薬、地黄、山薬、山茱萸、牡丹皮、茯苓、沢瀉、釣藤、山梔子、五味子、柴胡、甘草)をよく使っています。日本では加味逍遥散或は星火逍遥丸に養血の婦宝当帰膠、滋陰の杞菊地黄丸を併用します。排卵が遅れる場合は陽を養う参茸補血丸や海馬補腎丸、海精宝などを併用します。淤血がある場合は温経湯や血府逐淤丸、弓帰調血飲第一加減などを併用します。また、プロラクチンが高い場合は炒麦芽や芍薬甘草湯を併用します。

①、②、③のいずれのタイプも胃腸虚弱(脾胃気虚)がある場合は、健脾しながら陰を養うこともできる星火健脾散を使います。

低温期に適切な漢方薬を選択して、卵子の質を良くし、子宮内膜を厚くすることは非常に重要です。ですから、低温期は周期療法の核心といえるのです。

テーマ:不妊治療 - ジャンル:結婚・家庭生活

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