元気パンダの漢方日記
国際中医師の資格を持つ薬剤師が、漢方医学の知見や日々の出来事、趣味のパンダコレクションの紹介をするブログです。






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基礎体温表について⑥

皆さん、こんにちは。不妊症・周期療法コラム第9弾は「基礎体温表について⑥」です。

今回は低温期の体温が高く、排卵が早いタイプについてお話します。
通常、排卵は生理14日目前後にあると正常ですが、排卵が早くなる方がいます。高温期の日数は、妊娠しない限り長くなることは通常はありませんので、排卵が早い方は生理周期が短くなります。
少し排卵が早いくらいで、高温期も12日以上安定している方は、大きな問題はありません。このような方は、卵子の成熟が少し早めですが、十分に成熟しており、黄体ホルモンの分泌も悪くないといえます。
しかし、生理10日目以前に排卵が来て、高温期も不安定な方は妊娠しにくくなります。このような方は、卵子が十分に成熟する前に排卵してしまい、黄体ホルモンの分泌も悪くなっています。卵巣機能も低下していることが考えられます。

基礎体温表⑥

排卵が早くなり、卵子の質が低下する原因はいろいろありますが、主として、ストレスによる交感神経亢進、甲状腺機能の亢進、卵巣機能の低下などが考えられます。また、更年期が近づくと、卵巣機能が低下してFSHが上がり、基礎体温も高くなり、排卵が早くなることがよくあります。
中医学から見ると、「陰が不足して陽が亢進している」と考えています。よって、肝腎の陰を養い、心肝の陽を鎮める治療を行ないます。しっかりと腎陰を補うことで卵巣機能を高め、卵子の質を良くして、適切な排卵にすることが重要です。特に低温期の漢方薬が重要になります。
腎陰を養う漢方薬はいろいろありますが、生地黄の絞り汁を主薬とした瓊玉膏をベースに使うと効果的です。
低温期には肝腎の陰を養う、杞菊地黄丸瀉火補腎丸二至丸などをしっかりと使います。さらに症状によって、滋陰安神の天王補心丹酸棗仁湯、脾の気陰を補う参苓白朮散、肝の鬱熱を鎮める加味逍遥散温清飲などを併用します。
さらに漢方サプリメントとして、陰を養い濁を除き卵子の質を良くする「紅沙棘」や腎の陰陽を補い卵子の質を良くする「海精宝」を併用すると効果が良くなります。
生理期は淤血を除き排泄を促し、高温期は補腎を中心に滋陰清肝の漢方薬を適宜併用します。
通常は以上のような周期療法で、卵子の質を高め適切な排卵を導くことで、基礎体温が正常に近づいていきます。

ただ、このタイプで一番難しいのは、医原性の卵巣機能低下です。つまり、排卵誘発剤の長期使用や体外受精を繰り返すことで、卵巣に負担がかかり卵巣機能が低下している方です。このような方は、更年期に近い状態となります。原始卵胞の消耗が激しいと、漢方薬の効果が得られにくいこともあります。治療原則は上記の方法に準じますが、十分な効果が得られるまで量を増やす必要があります。

不妊症の方は排卵が遅れることを心配する方が多いのですが、実は排卵が早く卵子の質が悪いほうが治療し難いケースもあります。特に排卵誘発剤の長期使用や体外受精を繰り返すことで卵巣機能が低下し、更年期に近い状況になっている方は難治になることもあります。
ただ、よほどひどくなければ、漢方治療で卵巣機能が改善して、良い効果が得られます。このようなケースでお悩みの方は、周期療法を試すことをお勧めします。

テーマ:不妊治療 - ジャンル:結婚・家庭生活

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