元気パンダの漢方日記
国際中医師の資格を持つ薬剤師が、漢方医学の知見や日々の出来事、趣味のパンダコレクションの紹介をするブログです。






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漢方薬解説「銀翹散」

皆さん、こんにちは。漢方薬解説第24弾は「銀翹散」です。

銀翹散は、中国の清の時代の〈温病条弁〉という書物に記載されている漢方薬です。
温病とは、現代のインフルエンザのような流行性ウイルス感染症に当たるといわれてい
ます。
中国の清の時代は、日本では江戸時代で、当時の日本では風邪や感染症は「傷寒病」
と認識されていました。傷寒病の専門書〈傷寒論〉は中国の漢の時代に作られたふるい
書物ですが、江戸時代の日本は〈傷寒論〉の処方を中心に感染症を治療していました。
江戸時代は鎖国をしていたため、中国で最新の「温病」の考えが入らなかったのです。
傷寒論の感染症治療の代表処方は「葛根湯」です。江戸時代の落語に「葛根湯医者」
という話があるくらいに有名です。
ですから、日本では風邪の漢方薬といえば「葛根湯」となるわけです。しかし、中国では
風邪に「葛根湯」とはなりません。現代は地球温熱化や様々なウイルスの流行により、
発汗療法である「葛根湯」が適応する風邪よりも、抗ウイルス作用の強い「銀翹散」が
適応になる風邪の方が多いといわれています。

「銀翹散」は日本では「天津感冒片」や「涼解楽」という名前で発売されています。銀翹散
とほぼ同じ処方なのですが、「芦根」を解熱鎮痙作用の強い「羚羊角」に変えています。
「天津感冒片」と「涼解楽」の効能効果は、「風邪によるのどの痛み・口(のど)の渇き・
せき・頭痛」です。

天津感冒片は飲みやすい錠剤です。

天津感冒片


一方、「涼解楽」はお湯に溶けやすい顆粒で、効き目がシャープです。

涼解楽


勝湿顆粒」でも書きましたが、風邪の初期症状は大きく3つのタイプがあります。
イメージしやすくするために、「赤い風邪」「青い風邪」「黄色い風邪」に分けています。
最近は武田薬品のベンザシリーズも似た表現を使って風邪の症状を分けていますが、
漢方医学・中医学がパイオニアです。
風邪の初期症状の3つのタイプは、ゾクゾク寒気がする「青い風邪」、のどが痛み発熱
する「赤い風邪」、吐き気や下痢を伴う「黄色い風邪」ということになります。
「青い風邪」には、「葛根湯」を飲んで発汗させると効果がありますが、熱や炎症が強い
「赤い風邪」に使うと効果がありません。
「赤い風邪」には、漢方の抗ウイルス薬である「銀翹散」(商品名:天津感冒片、涼解楽)
を飲んで殺菌消炎すると効果があるわけです。

漢方薬は適切に使うと、風邪の症状に良く効きます。風邪を引きやすい方、家族の健康
を守りたい方は、常に「漢方風邪セット」を常備しておき、初期症状が出たときに、すぐに
飲むことをお勧めします。
このように漢方薬で風邪に対応すると、抗生物質を必要以上に飲まなくて済みます。

銀翹散は「天然の抗ウイルス薬で、赤い風邪を速やかに治す漢方薬」です。

コメント

漢方初学者の医学生です。
自分自身が銀翹散適用の風邪にかかり、しかし始めは馬鹿正直に葛根湯を服用しても全く良くならず困っていました。しかし持っているテキストの銀翹散の項目を読み、これだ!と思い服用したところすぐに効果が出始め、漢方の凄さを実感しているところです。

そこで銀翹散を検索してみたところこのブログまで辿り着きました。

風邪を大きく3つに分類した内容が凄くわかりやすく、とても感動して、このようにコメントをうってしまいました。

これからも漢方薬の記事を楽しみにしています!
【2012/09/22 13:13】 URL | (^-^) #obWbQ39E[ 編集]
コメントありがとうございます。

最近は漢方医学を学ぶ医師が増えてきていますね。

西洋医学は日々発展していますが、漢方医学の有効性も改めて見直されています。
西洋医学が効果を発揮しにくい疾患に漢方薬が有効なことは良くありますので、将来の臨床の場でも役立つことが多いと思います。

今後ともお役に立てる記事をアップしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【2012/09/27 10:28】 URL | 小島薬局漢方堂 #-[ 編集]

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国際中医師の資格を持つ薬剤師が、日々の漢方相談で感じたことを通じて、正しい漢方医学の知識の普及を目指しています。また、趣味で集めているパンダコレクションも紹介する、楽しいブログです。
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